ブルーノートとブルース進行の型
ジャズのルーツであるブルースの音とコード進行の型を知る
ブルーノートとは
ブルーノートとは、ブルースやジャズで、ふつうより少しだけ低い高さで弾かれる音のことです。低くされるのは、メジャースケールの3度・5度・7度の音です。この「本来の音より少し低く聞こえる」響きが、ブルースやジャズ特有の泥臭さ・エモーショナルな雰囲気を作ります。
ここで大事なのは、「半音まで下げない」ということです。全音の高さを1とすると、半音は1/2(0.5)です。ブルーノートは、ふつうの音と、半音下げた音(♭)とのあいだの高さで、全音の約1/3(0.3くらい)だけ低い、というのが1つの目安です。決まった高さがあるわけではなく、演奏する人や場面によって変わります。
ギターなら、チョーキング(弦を押し上げる奏法)などで、この半音より細かい高さの違いを出せます。楽譜では、3度・5度・7度の♭(♭3度・♭5度・♭7度)の記号で書かれることが多いので、そう呼ばれることもあります。
下の図が、A(ラ)を土台にしたときの、3度・5度・7度の高さのイメージです。
下の表のボタンで、Aメジャースケールの1・3・5・7度の音と、そのうち1つだけをブルーノートにした音を、それぞれ聴き比べてみましょう。ブルーノートのところだけ、少し暗くて、ひずんだような響きに聞こえるはずです。
ブルーノートは、ふつうの音と、半音下げた音のあいだ(Aが土台の場合)
横の距離は音の高さの差です(左へ行くほど低い音)。全音を「1」として、いくつ分低いかで示しています。
3度・5度・7度の、ふつうの音と、半音下げた音(音名)
| 度数 | ふつうの音 | 半音下げた音 |
|---|---|---|
| 3度 | C♯ | C |
| 5度 | E | E♭ |
| 7度 | G♯ | G |
1・3・5・7度の音を順に鳴らします(ブルーノートは、ふつうの音より約0.3、全音の約1/3だけ低い高さです)
青い音が、ブルーノートにした音です(ふつうの音より約0.3低い)。鳴っている音は、ピンクになります。
ブルーススケール
ブルーススケールは、マイナーペンタトニックスケール(1度・♭3度・4度・5度・♭7度の5音)に、ブルーノートである♭5度を足した6音のスケールです。Aの場合は、A・C・D・E♭・E・Gの6音です。
表の中のボタンで、音を聴いてみましょう。Aメジャースケールと聴き比べると、ブルースらしい雰囲気の違いがわかります。3つ目は、A7のコードを伴奏にして鳴らします。A7の3度(C♯)に対して、スケールの♭3度(C)がぶつかりますが、このぶつかりが、ブルースらしい響きの元になっています。
なお、ここでの試聴は、ピアノのように半音単位の音で鳴らしています。実際のブルースでは、前の項目で見たように、ブルーノートは半音より細かい高さで弾かれることもあります。
Aメジャースケールと、Aブルーススケールを聴き比べる
黄色と青の音が、Aメジャースケールにない音です。青は、そのうちブルーノートの♭5度(E♭)です。鳴っている音は、ピンクになります。
Aブルーススケール
12小節ブルースの基本進行
「12小節ブルース」は、ブルースの基本の型です。コードが12小節(12個の区切り)で1周し、曲が続く間、この1周をくり返します。ジャズでも、ブルースの曲の多くがこの型で作られています。
小節とは、楽譜で縦線(小節線)に区切られた1つの区切りのことです。多くの曲では、1小節が4拍分の長さです。下の図では、1つの箱が1小節で、縦線で区切っています。上から順に、1〜4小節目、5〜8小節目、9〜12小節目です。
Cのキーなら、使うコードはC7・F7・G7の3つだけです。ダイアトニックコードの番号で言うと、C7がI7、F7がIV7、G7がV7にあたります。ふつうI・IV・Vはメジャーセブンス(Imaj7など)ですが、ブルースではこの3つをすべてドミナントセブンス(7)にするのが特徴です。
1〜4小節目:C7が4小節続きます。ここが出発点です。
5〜8小節目:5〜6小節目でF7に移り、7〜8小節目でC7に戻ります。
9〜12小節目:9小節目がG7、10小節目がF7、11小節目がC7、12小節目がG7です。最後のG7は、次の1周のはじめのC7に戻りたくなる、つなぎの役目をします(前のトピックで聴いた、G7からCに戻りたくなる感じです)。
下のボタンで、12小節を通して聴いてみましょう。ジャズの「スウィング」のリズムで鳴らします。スウィングは、1拍を「長い音・短い音」に分けて、跳ねるように「タッタ タッタ」と刻むリズムで、ブルースもこのノリで演奏されることが多いです。ベースも一緒に鳴らし、1拍ごとにコードのルート・3度・5度・6度の音を順に弾いています。途中で止めたいときは「止める」ボタンを押してください。
実際の演奏ではここにさらに装飾のコードが加わりますが、これが基本の骨組みです。
Cブルース(12小節)のコード進行
12小節ブルースで使うコードは、Cのキーなら、C7・F7・G7の3つだけです。I・IV・Vのすべてをドミナントセブンスにするのが、ブルースならではの特徴です。
ジャズのジャムセッションでは、ブルースがよく演奏されます。12小節の型は曲が違っても共通なので、その場で合わせやすいのです。キーはFやB♭が多く使われます。
