スタンダード曲のコード進行分析(総合実践)
これまで学んだ理論を使って、曲のコード進行を読み解く
コード進行分析のやり方
スタンダード曲のコード譜を見た時は、まず「どこがII-V-Iか」「どこにセカンダリードミナントがあるか」「どこでキーが変わっているか(転調)」を探すのが基本の手順です。
分析の実践例
例えば「Dm7 → G7 → Cmaj7」という進行を見たら、これはCメジャーキーのII-V-I、とすぐに認識できます。
「A7 → Dm7」という並びを見たら、A7はDm7に対するセカンダリードミナント(V7/II)、と読み解くことができます。
次の節から、実際のジャズスタンダードのコード進行で、この分析をしてみましょう。図に示すのは、広く知られている基本の形です。楽譜によって、テンションなどコードの細かい書き方や、小節の割り方が違うことがあります。
実際の曲で分析しよう① Autumn Leaves(枯葉)
Autumn Leaves(枯葉)の、最初の8小節です。B♭メジャーと、そのマイナーキー(Gマイナー)の2つのキーが出てきます。曲のキーは、演奏によって変わります。
1〜3小節目の Cm7 → F7 → B♭maj7 は、B♭メジャーのII-V-Iです。4小節目の E♭maj7 は、B♭メジャーのIVmaj7です。
5〜7小節目の Am7♭5 → D7 → Gm は、Gマイナーのマイナー II-V-I(IIm7♭5 → V7 → Im)です。8小節目はGmが続きます。
全体をGマイナーを基準にして読む説明もあり、その場合、Cm7 → F7 → B♭maj7 → E♭maj7 は、IVm7 → ♭VII7 → ♭IIImaj7 → ♭VImaj7 と読みます。同じ進行でも、基準にするキーによって、読み方が変わります。
まとまりの帯を押すと、その部分だけを鳴らします。II-V-Iのまとまりで、緊張して解決する流れを聴いてみましょう。
Autumn Leaves の最初の8小節(B♭メジャー / Gマイナー)
実際の曲で分析しよう② Fly Me to the Moon
Fly Me to the Moon の、最初の8小節です(Cメジャー)。
2〜4小節目の Dm7 → G7 → Cmaj7 は、CメジャーのII-V-Iです。1小節目のAm7は、Cメジャーのダイアトニックコード(VIm7)で、そこから II-V-I へ進みます。5小節目の Fmaj7 は、CメジャーのIVmaj7です。
6〜8小節目の Bm7♭5 → E7 → Am7 は、Aマイナーのマイナー II-V-I(IIm7♭5 → V7 → Im)です。E7は、Am7(VIm7)に向かうセカンダリードミナント(V7/VI)とも読めます。
Autumn Leaves と同じく、メジャーのII-V-Iのあとに、関係の深いマイナーキー(ここではAマイナー)のII-V-Iが続く形です。楽譜によっては、E7にテンション(♭9など)がついたり、8小節目の後半にA7が入ったりします。
Fly Me to the Moon の最初の8小節(Cメジャー / Aマイナー)
実際の曲で分析しよう③ Blue Bossa
Blue Bossa の、最初の12小節です。Cマイナーの曲で、途中でキーが変わります。
1〜4小節目は、Cm7(Im7)が2小節続いたあと、Fm7(IVm7)が2小節続きます。5〜7小節目の Dm7♭5 → G7 → Cm7 は、Cマイナーのマイナー II-V-I です。8小節目はCm7が続きます。
9〜12小節目の E♭m7 → A♭7 → D♭maj7 は、半音上のD♭メジャーのII-V-Iです。それまでと違うII-V-Iが出てきたので、ここでキーが変わっている(転調している)、と読めます。
帯を押して、Cマイナーのマイナー II-V-I と、D♭メジャーのII-V-Iを、聴き比べてみましょう。楽譜によっては、G7などにテンションがついたり、Cm7がCm6と書かれたりします。
Blue Bossa の最初の12小節(Cマイナー → D♭メジャー)
ここまで学んだ理論をどう活かすか
トライアド・セブンスコード・ダイアトニックコード・II-V-I・モード・テンション・裏コード・借用和音・アウトサイドは、すべて「曲の構造を読み解いて、それに合った音を選ぶ」という一つの目的のためにあります。
全てのトピックはここに繋がっています。お疲れさまでした!
分析の手順は、①II-V-Iを探す、②セカンダリードミナントを探す、③キーが変わる場所を探す、の3つです。1音ずつ見るより、コードの「かたまり」で見ると、長い曲も読みやすくなります。
